レトリックと人生
レトリックは単なる言葉の綾ではない。それは未知の世界を、人間の理解の領域にたぐりよせる強力な武器となる。「時は金なり」「恋愛は旅である」といったメタファーは、多言を費やした説明より鮮やかに事柄の本質を照らし、人生に指針をもたらす。日々の生活はこうしたレトリックの網の目によって支えられているからこそ、“レトリック感覚”を働かせることによって切り拓かれる人生の可能性には目をみはるものがある。斬新な視点からレトリックの生態に言語的・哲学的分析を加えるとともに、背後にひそむ人間の思考や行動の構造をダイナミックに抉った知的冒険の書。