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[日販商品データベースより]
「町にとって大事なものは緑と空間と静けさ」
「村おこし」より「村のこし」 ――森まゆみ
〈世界の由布院〉に育てた男の、七転八倒、獅子奮迅、起死回生の記録。
「まちづくろい」に取り組んできた著者が、亀の井別荘の主ケンタロウさんに出会って40年。その肉声を伝え、魂に迫る、聞き書きワークの集大成!
大正のころ、祖父中谷巳次郎は別府観光の立役者・油屋熊八に山上の別天地、由布院の亀の井別荘を任された。中谷健太郎は1934年由布院生まれ。伯父の雪の博士・中谷宇吉郎に「東京に出てこい」といわれて上京、東宝の助監督に。60年安保を闘って疲労困憊、「帰りなん、いざ」と故郷の宿屋を継ぎ、次々と文化イベントを繰り出し、由布岳と朝霧だけが売りものの温泉を、清潔な憧れの観光地に変えた。1962年に年間30万人だった観光客は90年には400万人を超えた。しかし、これは成功物語ではない。ケンタロウがめざしたのは「村をのこすこと」。村の付き合い、野焼き、お祭り、神楽、食べ物まで、住民主導まちづくり、村のこしを牽引したスーパースターの「照る日くもる日」曲折の日々――。
【目次】
まえがき
1 中谷家の人びと
2 いつもドンケツ――子ども時代の話
3 憧れの東京へ
4 映画漬けの大学時代
5 東宝演出部に合格
6 助監督の仕事
7 女優さんたち
8 60年安保闘争の時代
9 父の死、帰って宿を継ぐ
10 弟次郎さん、妻明美さんの話
11 キリシタンの里――由布院の歴史
12 地域雑誌「花水樹」創刊 1970
13 ヨーロッパ46日間珍道中
14 盆地に馬車を走らす
15 玉の湯の話――溝口薫平・喜代子夫妻に聞く
16 コウちゃんのこと――夢想園・志手淑子さんに聞く
17 ゆふいん音楽祭がはじまる 1975
18 湯布院映画祭はじまり、はじまり
19 「この町に子どもは残るか」――住民主役のまちづくりへ
20 農業支援――見成寺の和尚さんの話
21 由布院駅完成まで 1990
22 「風の計画」2度目の地域雑誌 1988
23 劇団立見席とゆふいん源流太鼓
24 歌舞伎と落語の話
25 「ふくろうが翔ぶ」日米合同演習@日出生台 1996
26 佛山寺復興 村の暮らしと文化を守る
27 ゆふいん文化・記録映画祭
28 平成の大合併 2005
29 散開の思想――食べ物の話
30 父の本棚
最後に
最後の最後に
由布院・中谷健太郎年譜
主な参考文献