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[日販商品データベースより]
クモは巣をはってトンボがかかるのを待っています。花はきれいな色といいにおいでハチやチョウを待っています。セミの幼虫は土の中で空を飛ぶ日を待っています。ほんの数秒、じっと静かに待ってみる。なにが見えてくるしょう? なにがきこえてくるでしょう? 急ぎすぎていた私たちに、「待つ」時間の豊かさを教えてくれる絵本です。
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キョロロロロロキョロロロロロよく晴れた気持ちのいい空の下、山のどこかで響いているのはアカショウビンの鳴く声。ニイーニイ―ニイ―、セミの声も聞こえてきて。ぼくはウキを見つめて、魚がかかるのを待っている。木の上ではクモが巣をはってトンボがかかるのを待っている。花はハチや蝶を、サンショウウオはアユを、セミは空を飛ぶ日を……待っている。オオミズナギドリも、シカの子も、じっとそこにとどまって。それはほんの数秒かもしれないし、ずっとなのかもしれないけれど、そこで静かに待っている。だから、わたしだって「待ってみる」。すると降りそそいでくるのは……色んな感触! 音! そして。何かが起こったような、起こらなかったかもしれない一日。絵本の中にあるのはのんびりゆったり、そんな時間だけ。でも、不思議とピンと張りつめているような緊張感もあり。読み終わってみれば、とても豊かで充実した一日を過ごしたような気持ちになるのです。村上康成さんの最新作のタイトルは『まっている。』。言われてみて、私たちは改めて気がつきます。自然界ではそんな時間が当たり前なのだということ、そして「待つ」という行為そのものが、生きていくことなのだということに。ふと周りを見れば、口をあけてどこか一点を見つめている子がいる。ベンチに座ったまま動かない人がいる。嬉しそうに少し笑ってお茶を飲んでいる人がいる。邪魔をしないようにしなくてはね。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
それぞれの生き物がそれぞれの思いで“まっている。”お話です。
毎日忙しい日々を送っている大人たちに、“待つ時間”の大切さや意味を優しく教えてくれるような絵本でした。
1ページ目でアカショウビンが鳴く意味が、最後のページで明らかになるのが素敵だなと思いました。
子ども達だけでなく、大人にもぜひ読んで欲しいオススメの絵本です☆(さくら嵐♪さん 30代・愛知県 )
【情報提供・絵本ナビ】