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- 水上瀧太郎の文学
-
サラリーマン小説の誕生
近代文学研究叢刊 68
- 価格
- 6,600円(本体6,000円+税)
- 発行年月
- 2020年02月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784757609396
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[BOOKデータベースより]
虚偽を糾す正義感と時流に迎合しない批判精神。激動の大正から昭和初期に翻弄されるサラリーマンの実態を、『大阪の宿』を始め、一連のサラリーマン小説に描いた。同時に「貝殻追放」では社会の矛盾や虚偽を指弾し、軍国主義に迎合する社会の風潮を批判した。時代背景と作品を照応し、瀧太郎の文学の本質を捉える、瀧太郎の再評価。
1 小説論考
[日販商品データベースより]2 「貝殻追放」論考
3 戯曲研究―創作空白期間の謎
4 米国・英国留学体験と水上瀧太郎文学
5 水上瀧太郎「精神的主幹」時代の『三田文學』
6 神奈川近代文学館所蔵・籾山仁三郎宛水上瀧太郎書簡
7 村松定孝「水上瀧太郎と大信田落花の功績」への疑義
水上瀧太郎の文学的生涯は作家とサラリーマンの生き方を併進した事に特色がある。物の本質を究めようとする作家の目は、大正から昭和初期の激動する時代に翻弄されるサラリーマンの実態を、「大阪の宿」を始めとする一連のサラリーマン小説に描き出した。同時に「貝殻追放」では社会の矛盾や虚偽を指弾し、また軍国主義に迎合する社会の風潮を批判した。大正二年から二十八年間綴られた二百余編の「貝殻追放」は正に時代の貴重な証言と言えよう。文壇から距離を置いたことから文壇批判に当時の混迷した文壇事情が窺えて興味深い。虚偽を糺す正義感と時流に迎合しない批判精神、自立心が瀧太郎文学の根底にある。
本書では時代背景と作品を照応することによって瀧太郎文学の本質を明らかにした。