この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 現場で役立つ!社会保障制度活用ガイド 2023年版
-
価格:3,190円(本体2,900円+税)
【2023年05月発売】
- 強度行動障害のある人を支えるヒントとアイデア
-
価格:2,420円(本体2,200円+税)
【2023年09月発売】
- これだけは押さえておきたい!社会保障制度の用語事典
-
価格:2,530円(本体2,300円+税)
【2022年09月発売】
- 思考の庭のつくりかた はじめての人文学ガイド
-
価格:1,155円(本体1,050円+税)
【2022年05月発売】
- 香港の都市再開発と保全
-
価格:1,100円(本体1,000円+税)
【2009年03月発売】
[BOOKデータベースより]
イギリス植民地化、中国返還を経て現代に至る約180年間の香港カトリック教会堂の変遷を、政治・社会・宗教的文脈から解き明かす。
信徒の信仰と教会堂建設活動
[日販商品データベースより]信徒論
香港カトリック教会堂
1841‐1944年 宣教初期における聖職者主体の教会堂建設
1945‐1960年代 学校と一体的な教会堂の大量建設、設計者としての信徒
1970年代‐1981年 香港人建設専門家信徒の成熟
1982‐1989年 香港返還決定が促進した教会堂新築事業と信徒参画
1989‐1996年 教会営繕の組織化、「教区建築および発展委員会」設立
1997‐2005年 都市再開発型教会堂の建設
2006‐2018年 信徒霊性運動としての教会堂営繕
香港の信徒による教会堂営繕の意味
世俗化した近現代における「宗教」、「信仰」、「宗教建築」、そして「信徒」とは何か。この大きな問いに、本書は香港というひとつの事例の全容を提示しつつ、世界史的に位置づける。
意外にも香港には、カトリック信者が多い。香港の信者数は、日本全体の信者総数よりも多い。この背景には、カトリック教会が社会的に担ってきた役割の大きさがある。イギリスは19世紀に香港を植民地とした後、カトリック教会に教育・福祉サービスを担わせた。この見返りというかたちで、多くのカトリック教会堂が政府助成を受けて建設されるようになった。
カトリック教会堂の形態や用途は約180年の香港史において、目まぐるしく変遷した。その背景には、植民地ならではの政府と教会の相互依存的関係があり、また、香港返還が決定した後の関係激変があった。そして教会堂空間を確保するため、教会はあらゆる努力をしてきたが、それには司祭のみならず、信徒たちが重要な役割を担ってきた。
戦後に急増した香港人信徒たちは、難民としての受動的な存在から徐々に自立、成熟し、教会堂建設に参加するようになった。特に建築家やエンジニアである信徒の活躍が顕著であった。彼らの奉仕は司祭の実務的な補助者として始まったが、世界的な霊性運動の興隆に大きな影響を受け、また返還をめぐる香港社会の激動のただなかにあって、次第に、信徒自身の霊性探求を教会堂営繕に見出し、求めてゆくようになった。
本書は、教会堂という物質的なものの変遷と同時に、信者の信仰、霊性という内的な変容の過程をも描く。