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[BOOKデータベースより]
鎖国下の日本において、西洋近代学問がもたらされるルートは貿易商人、宣教師(伝道師)、軍人将校に限られていた。そこから学んだ者たちは一生涯、その関わりを隠し続けた。墓に刻むことさえも許されなかった―。
第1章 本当は伴天連が教えた江戸の「和算」(中国数学から西洋数学への乗り換え;「西洋神術」としての江戸時代の数学 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 和算を築いた男たち―ジュゼッペ・キアラと関孝和(初めて西欧と「知」で渡り合った井上政重;三代将軍家光の政権を担ってきたブレーン ほか)
第3章 和算家たちの系譜とグループ(京都・慶長天主堂グループ;切支丹屋敷グループ ほか)
第4章 日本近代化の原動力となった江戸の数学者たち(蘭学とは当時の「ヨーロッパ最先端の神学」である;坂本龍馬は土佐藩主の命で軍艦操練所に派遣されていた ほか)
第5章 数学が神となる時代へ(「庶民の和算」と「科学としての和算」;学問体系は西洋的自然観から生まれた ほか)
同時代の西欧数学に比して、決して遅れをとっていなかった江戸時代の数学のレベルの高さは、何に由来するものなのか。関孝和(1708年没)と、その弟子、建部賢弘(1664‐1739)などだけが、知られる程度であった和算の歴史であるが、じつは、関孝和が師事したのはジュゼッペ・キアラ(1602‐1685、日本名・岡本三右衛門)という元イエズス会宣教師、いわゆる「転び伴天連(バテレン)」である。江戸の「和算」のオリジンは、なんとキリスト教の宣教師であったのだ。従来あまり語られることがなかった江戸和算の知られざる系譜を詳らかにし、西欧近代学問の輸入史に新たな一ページを刻む斬新な歴史読み物。