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[BOOKデータベースより]
分断と紛争の本質に迫る!中東・ヨーロッパに遍在するさまざまな対立軸を俯瞰し、その歴史的・思想的背景を明らかにする。
第1章 現代ユーラシアの錯綜する対立軸
[日販商品データベースより]第2章 十九世紀以前のイスラム・ユダヤ・キリスト教の共存と相克
第3章 「ナショナリズム」の発生とその病巣
第4章 ヨーロッパの膨張主義と中東イスラム世界の半植民地化
第5章 ヨーロッパ帝国主義は中東イスラム世界に何をもたらしたか?―両大戦間期の変動
第6章 退潮する英仏の影響力と、反米意識の高揚
第7章 ポスト冷戦期の確執・衝突
第8章 イスラムをめぐるユーラシアは今後どうなるのか?
終章 いかに狭量な「ナショナリズム」を乗り越え、平和や共存の普遍的価値を取り戻すか
分断と紛争の本質に迫る!
2011年の「アラブの春」は多くの人びとの希求とは裏腹に紛争の引き金となり、結果、大量の難民がヨーロッパに押し寄せて、移民・難民の排除を唱える極右勢力の台頭を許すこととなった。さらに、疎外されたムスリムの一部はヨーロッパ域内でテロ事件を起こし、ヨーロッパの安全保障上の重大な脅威となっている。
現在の中東イスラーム世界やヨーロッパに紛争や対立をもたらす思想的背景として「ナショナリズム」の存在が指摘されるが、本書では、ヨーロッパで生まれた「ナショナリズム」の概念がいかにイスラーム世界を困難な状態に置いたかを明らかにしていく。具体的には、栄華を極めたオスマン帝国に対するヨーロッパの帝国主義侵出の歴史と、その秩序に反発した中東イスラーム世界の近現代史、クルド・ナショナリズム、イランとアラブ世界との民族的角逐など、現在のユーラシア情勢をかたち作った歴史的要因を分析する。変わりゆくイスラームとヨーロッパというユーラシアの国際構造の、とくに思想的背景を明らかにするものである。
「ナショナリズム」をキーワードに中東・ヨーロッパに遍在するさまざまな対立軸を俯瞰することで、繰り返し起こる紛争の本質に迫る。