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- カントの生涯と学説 新装版
-
- 価格
- 8,800円(本体8,000円+税)
- 発行年月
- 2019年03月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784622088073
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[BOOKデータベースより]
第1章 少年期及び修業時代
[日販商品データベースより]第2章 修士時代とカント学説の発端
第3章 『純粋理性批判』の構築と根本問題
第4章 批判哲学の最初の諸成果:『プロレゴーメナ』、ヘルダーの『考案』及び歴史哲学の基礎づけ
第5章 批判的倫理学の構築
第6章 『判断力批判』
第7章 晩年の諸著作と闘争―『単なる理性の限界内の宗教』及びプロイセン政府との衝突
カッシーラーの『カントの生涯と学説』は、初版(1918)以来数十年をへた現在もなお、最良のカント書のひとつである。カントの哲学思想とその生涯の全体がひとつに溶けあったその内容と文体は、明晰で深い洞察をしめしている。名匠の手によるこのカント把握によって、読者はカントの哲学および人間の理解へと導かれるであろう。
本書の最大の魅力は、論述の対象であるカント哲学の偉大さと、著者であるカッシーラーの思想とが見事な一致を示している点にある。本書執筆当時、カッシーラーの思想は転換期にあった。ひとつには第一次大戦に直面して、理性にもとづく現実認識の一面性を確信した彼は、それまでの新カント派的な発想をこえて、世界了解の前提となる想像力・感情・意志等々人間の豊かな精神の全体の学をめざしながら、カントの把え直しに向かっていたのである。〈全体が問題になっている〉カントとカッシーラーの親和力は、カントの雄大な体系的思索の頂点である『判断力批判』をめぐる本書の考察に、その結実をみることになる。『判断力批判』を人間の精神形態の十全な表現ととらえる著者の分析は、〈象徴形式〉へとつらなるであろう。ふたりの巨匠の出会いから成った第一級の古典的著作といえよう。