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- 傍らにいた人
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日経BPM(日本経済新聞出版本部) 日経BPマーケティング
堀江敏幸- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2018年11月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784532176471
[BOOKデータベースより]
小説の楽しみのひとつは、全体の流れや構造とは関係のない細部につまずくことにある。
傍点のある風景―國木田独歩「忘れえぬ人々」
ふたつの黒い影―安岡章太郎「夕陽の河岸」
洗面器に入れて運ぶ―井伏鱒二「鯉」
ハトロン紙の謝罪文―井伏鱒二「スガレ追ひ」
乾いた言葉の粒で―マルセル・ムルージ『涙』『エンリコ』
心に礫を浴びた傷として―瀧井孝作「父」(上)
顔がとれさうなほどの哀しみ―瀧井孝作「父」(下)
悲しみを運んで歩く―佐多稲子「水」
遅くなったわけを話すために船に乗る―内田百〓「見送り」
自身の気配を消した人―正宗白鳥「リー兄さん」〔ほか〕
■堀江敏幸氏による、読書をめぐるエッセイ集。
■日経新聞土曜朝刊の連載随想が、待望の単行本化!
堀江敏幸さんがなれ親しんできた書物の頁の風景の中で、なにかの拍子によみがえってくる人の姿。「たいていはだれもが知っている人物の傍らの、淡い接触をしただけの存在で、顔の輪郭がはっきりしていないことさえあるのだが、思い出したらそのまま忘れて終わりというわけではなく、何年か経つと、べつの角度で刺激された記憶の片隅から、また不意にあらわれたりする。」「私は実際に、思い出されてはじめて、なるほどその折の景色のなかに目立たない見えない傍点が打たれていたのだと気づかされるような影たちと、何度も遭遇してきた。」――文芸作品の楽しみ、それは細部につまづくこと。「読む」ことをめぐる52篇。
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