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[BOOKデータベースより]
17世紀のヨーロッパにおいて、書簡は公開を前提としたものも多く、学問にとって重要な情報・意見交換のツールであった。デカルトも当時の多くの学者たちと往復書簡を交わしており、737通が残されている。そこでのやり取りを通してデカルトは自らの思想を練り、著作を残していった。彼にとって書簡は、思索の場であり、まさに「知性の実験室」であった。第1部「デカルトの生活と思想」では、膨大な全書簡の中から特に印象的な文言を年代順に取り上げ、デカルトの生涯と思索を辿る。第2部「精神と身体」では、デカルト哲学の中でも重大な課題である心身問題に焦点を絞り考察。西田哲学との比較や、デカルトが精神と身体との区別をどう考えたのかをエリザベトなどとの書簡から読解する。第3部「論争のさなかで」では、レギウス、アルノー、モアとデカルトの往復書簡での論争を検討する。デカルト自身の立場の特異性や同時代の論争相手がデカルト哲学を受容した実態が浮かび上がる。本書は、書簡をも含めたテキスト読解による今後のデカルト研究の基礎資料となるだろう。
第1部 デカルトの生活と思想(誕生1596年〜『方法序説』前後1638年;『省察』準備期1639年〜『哲学原理』1644年;『情念論』準備期1645年〜客死1650年)
[日販商品データベースより]第2部 精神と身体(心身合一の世界―デカルト哲学と西田幾多郎;心身の相互関係―エリザベト書簡と『情念論』;精神と身体との区別 ほか)
第3部 論争のさなかで(ヘンリクス・レギウス;アントワーヌ・アルノー;ヘンリー・モア)
17世紀のヨーロッパにおいて,書簡は公開を前提としたものも多く,学問にとって重要な情報・意見交換のツールであった。デカルトも当時の多くの学者たちと往復書簡を交わしており,737通が残されている。そこでのやり取りを通してデカルトは自らの思想を練り,著作を残していった。彼にとって書簡は,思索の場であり,まさに「知性の実験室」であった。
第T部「デカルトの生活と思想」では,膨大な全書簡の中から特に印象的な文言を年代順に取り上げ,デカルトの生涯と思索を辿る。
第U部「精神と身体」では,デカルト哲学の中でも重大な課題である心身問題に焦点を絞り考察。西田哲学との比較や,デカルトが精神と身体との区別をどう考えたのかをエリザベトなどとの書簡から読解する。
第V部「論争のさなかで」では,レギウス,アルノー,モアとデカルトの往復書簡での論争を検討する。デカルト自身の立場の特異性や同時代の論争相手がデカルト哲学を受容した実態が浮かび上がる。
本書は,書簡をも含めたテキスト読解による今後のデカルト研究の基礎資料となるだろう。