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[BOOKデータベースより]
急激に、世界の列強に躍り出た日本。英米独ソ、中国共産党の様々な策謀に翻弄されながら見たアジアの大帝国出現の夢…。しかし、最も冷徹な戦略眼を持つべきエリートたちにそれが全く欠けていた。節度と戦略なき外交が招いた日本の破滅。「戦争」と昭和史を戦略的観点で分析する!日本はなぜ「判断」を誤ったのか?
序章 予兆―日本の命運を分けたもの
[日販商品データベースより]第1章 勃発―「世界大戦」という荒波へ
第2章 悪路―なぜアメリカと敵対したのか
第3章 日米開戦―日本の快進撃で幕が上がる
第4章 苦戦―終わりなき前線での死闘
第5章 終戦―何を守り、何を失ったのか
なぜ日本は大陸に進出したのか?
アメリカと戦争を始めたのはなぜか?
そして、どうして早期和平に踏み出さなかったのか?
本書の特徴
*昭和の戦争を大局的に捉え、一気によんでスッキリ理解できる。
*歴史の流れが頭に入りやすいよう、主な出来事、戦闘ごとに区切った記述をし、それが前の事件からどう?がり、次の事件にどう結びついてゆくのかを明確化……因果関係が解りやすい。
*日本側の動きだけを記さない。外国との相関関係を見えやすくし、当事国それぞれの内在的論理を浮かび上がらせた。
*「外交」と「軍事」の双方で、努めて戦略的な観点から分析〜ひとつひとつの行動を戦略目標の視点から見ると、歴史が意味を持って浮かび上がってくる。
*今の時点から歴史を評価せず、当時の指導者の判断を嘲笑するような書き方は避ける〜歴史を考えるときには、当事者になる想像力が必要。
*特定の歴史観に縛られない。
私たちは、どうしても「日本」というと今の日本列島を思うが、当時の「日本」は、韓国を併合し、満州に広大な属国を持ち、中国大陸で連戦連勝中である。もしドイツが賢明に立ち回ってソ連と対立せずにイギリスを倒し、日本が東南アジアを支配したら(これは日米開戦直後に実現した)、援?ルートも止まり、中国まで日本に帰属するに至ったであろう。こうして空前のアジアの大帝国が出現する可能性はあったのである。それだけの規模の帝国を長期間維持する能力は日本にはなかったとは言え、当時の大日本帝国が破竹の勢いで拡大し続けていたのは事実である。ソ連だろうとアメリカだろうと、巨大化し続けるマグマのような侍の国を強烈に抑え込もうとするのは、寧ろ当然だったろう。しかもその頃の日本は、軍と外交の意思が分裂していた。何をしでかすか分からないという事だ。更に言えば、日本民族そのものが、言語も歴史も孤立し、国際コミュニケーション能力も乏しい。列強諸国から恐怖と猜疑と嫌悪で見られていたのは間違いない。これは誰が戦争を仕掛けたかとか、仕掛けた側が良いか悪いかという話以前の当時の「光景」なのである