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[BOOKデータベースより]
升田幸三棋士から「この子、凡ならず」と評され14歳で始まった棋士人生。大山康晴棋士には「大神武以来の天才」と言わしめ、中原誠棋士との対局は歴史に残る名勝負となる。3勝3敗、持将棋1回、千日手2回の激闘の末、10局目で名人のタイトルを獲得。その後も羽生善治棋士、谷川浩司棋士など若き新鋭との激戦を繰り広げ、藤井聡太棋士にそのバトンを渡した。加藤一二三が鬼才棋士との激動の対極を振り返る珠玉の一冊!
第1章 初タイトル
[日販商品データベースより]第2章 頂点への道
第3章 若い人には負けない
第4章 将棋は芸術だ
第5章 「ひふみん」
第6章 生涯現役
プロ棋士として数々の伝説を作った鬼才であり、同時に「祈り」のもとに一手をさす敬虔なクリスチャンでもある。
小学校入学前から将棋を始め、小学4年の時に新聞で将棋の観戦記を読んだことをきっかけに大人と対戦するようになった。小学6年で棋士養成機関である奨励会に入り、日本将棋連盟関西本部(大阪)に通い始める。すぐに頭角を現し、指導の場に居合わせた升田幸三棋士から「この子、凡ならず」と評された。また大山康晴棋士からは「大神武以来の天才」と言われた。
数々の勝負の中で、82年の名人戦で中原誠名人との対局は、歴史に残る名勝負となった。3勝3敗、持将棋1回、千日手2回の激闘の末、10局目で、念願の名人のタイトルを獲得した。その後、羽生善治棋士、谷川浩司棋士など若き新鋭との激戦を繰り広げた。
還暦となってもA級に在籍したが16年12月藤井聡太四段のデビュー戦となった竜王戦ランキング戦での対局は、年齢差62歳6カ月の対局として話題となり、対局は藤井四段が勝利。現役引退が決まった。
将棋では、銀将でストレートに攻める「棒銀」を得意とした。対局では、1手を考えるのに何時間もかける「長考」が多かったが、中盤までに持ち時間を使いきり、1手1分以内に指す「秒読み」となっても好成績を挙げ、「1分将棋の神様」とも呼ばれた。長いネクタイがトレードマーク。
記録係に「あと何分」と自分の残り時間を繰り返し尋ねる、旅館の滝の音が気になり止めてもらう、昼も夜もうな重の出前を取る、など対局中の逸話も多い。
本書は将棋棋士・加藤一二三が激動の将棋人生を振り返った自叙伝の決定版である。