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[BOOKデータベースより]
折口信夫の生誕一三〇年を記念して復刊する本書は、昭和二十二年から二十八年九月の逝去まで、折口の晩年七年間を共に生活した著者による追憶の書である。折口信夫の生きる姿をまざまざと写し出すその鮮烈な印象は二一世紀の現在もいささかも古びることがない。十七年間を共に暮らし、出征後に養子となった春洋が硫黄島で戦没し、深い悲しみを湛えた折口の率直な「死生観」や師・柳田国男に対する礼のありよう、若き日に常用したコカインの影響で利かなくなった臭覚、代々医を業としていた生家の影響で自ら調合する薬など、日常生活を生き生きと描いた記録としても類がなく、折口信夫に全人的な薫陶を受けた若き日の岡野弘彦の思いがほとばしっている本書は、「折口学」入門に欠かせないものである。
[日販商品データベースより]昭和22年から28年9月の逝去まで、
折口信夫7年間の鮮烈な日常
[解説] 三浦雅士 「ゆたかにゆだねる」
▼『折口信夫の晩年』(昭和44年、中央公論社刊)の復刊企画。
折口信夫の生誕130年を記念して復刊する本書は、昭和22年から28年9月の逝去まで、折口の晩年7年間を共に生活した著者による追憶の書である。折口信夫の生きる姿をまざまざと写し出すその鮮烈な印象は21世紀の現在もいささかも古びることがない。
17年間を共に暮らし、出征後に養子となった春洋が硫黄島で戦没し、深い悲しみを湛えた折口の率直な「死生観」や師・柳田国男に対する礼のありよう、若い日に常用したコカインの影響で利かなくなった臭覚、代々医を業としてきた生家の影響で自ら調合する薬など、日常生活を生き生きと描いた記録としても類がなく、折口信夫に全人的な薫陶を受けた若き日の岡野弘彦の思いがほとばしっている本書は、「折口学」入門に欠かせないものである。