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[BOOKデータベースより]
ジャズもマンガも、全共闘もSFも、俺たちには全部ポップ文化だった。教科書的60年代史観を笑い飛ばす、自伝的エッセイ。
春の雪は学生食堂とキャビアの呪いなのか。
十月、たそがれのバリケード。気がつくと、たった一人だ。
一九六〇年、ネギの町で初めてポップと出会った。
ひとりぼっちのツイストと暴力教室。
漣健児と「ミュージック・ライフ」の時代。
キューバ危機だけど、早く早くお便りネ。
放課後だけはファイティング原田のように。
人気投票と「下を向いて歩こう」というマイナー嗜好癖。
SFマガジンと馬込銀座の本屋で出会った。
僕は悲しき少年兵だったのか。〔ほか〕
ポップ史観で60年代を辿る自伝的エッセイ
一九六〇年、十二歳。坂本九の「悲しき60才」でポップスに目覚めた亀和田少年は、ビートルズの登場で、それまで全盛だった和製ポップスが懐メロ化してしまったと嘆く。渋谷道玄坂で、毎月1がつく日に開催され、プロ作家も参加したSF好きの「一の日会」に通い、東京オリンピック開会式の日は、お祭り騒ぎに興味がなくて、ひとり千鳥ヶ淵でボートを漕いだ。吉祥寺の私大で右翼学生と渡り合い、デモで別セクトにいた美少女に恋をする。そして、童貞少年が夢中になった吉行淳之介の性小説、新宿のジャズ喫茶、映画館など、多感な少年時代をポップに生きた著者の痛快ネタ満載。「ビートルズとバリケードが俺の青春だ」なんて嘘っぱちだ。卓越した記憶力で、既成の60年代史観をくつがえす、名コラムニストの会心の作。
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