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[BOOKデータベースより]
戦国大名はなぜ京を目指したのか?その答えは百人一首のなかにある。世の中が混迷すると「百人一首」はまさに不死鳥のように蘇り、日本的価値観を思い出させ、進むべき道を指し示してくれる。「百人一首」が、百首で一首の抒情詩だという解釈。
天皇も率先して働く国‐天智天皇―秋の田のかりほの庵の苫をあらみ我が衣手は露に濡れつつ
[日販商品データベースより]究極の夫婦愛と日本人の死生観‐持統天皇―春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山
目指す高みを得るために‐柿本人麻呂―あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
見えない景色を見せる叙景歌‐山部赤人―田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
華美な贅沢こそ悲しい‐猿丸大夫―奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき
国を守るカササギ‐中納言家持―鵲の渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける
和歌に命を刻みつける‐安倍仲麿―天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
民のありがたさ‐喜撰法師―我が庵は都の辰巳しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり
私まだ咲いているわよ‐小野小町―花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせしまに
人として生きられる幸せ‐蝉丸―これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬもあふ坂の関〔ほか〕
「百人一首」は律令制度誕生から崩壊までの、約500年にわたる社会の様相や人々の思いを100首の名歌で表した一大抒情詩である。