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[BOOKデータベースより]
教員養成と教育哲学が不可分なことは明白だ。諸哲学者の息吹や葛藤が触発する徹底して考えることへの目覚め―それこそ「自律した人間」への第一歩なのだ。だから教育哲学が教職必修科目から外されたのは驚くべき事態に他ならない。自律への意識が希薄な教員がどうして子どもを自律へと導くことができようか!本書は、教育現場及び教員養成課程における教育哲学のあり方と果たしうる役割を具体的に追究し、基底理念を欠くかに見える教員養成制度の現状を批判的に検証した、渾身の労作である。
第1部 教師を教育哲学する(小学校教員にとっての教育哲学―教育実践者が教育哲学を学ぶ意義とは何か;中学校教員にとっての教育哲学―「ポジティブリスト主義」への対応として;高校教員にとっての教育哲学―哲学が支える生徒指導の一例;教職大学院の教育研究における「哲学」の可能性―理論と実践との架橋・往還の彼方に;教員は教育哲学に何を求めるのか―人生観・世界観としての哲学)
第2部 大学の教員養成課程で教育哲学は何をなしうるか(学問システムと教育システムの間で揺らぐ教育哲学―教育哲学は教員養成をどのように語ってきたか;国立大学教育学部における教育学各分野の量的変遷;学生は教育哲学に何を求めるのか―質問紙調査にみる「必要性」と「有用性」の感触;教育哲学は学生の教育観をいかに成長させるのか―教育思想がもたらす広がり・深まり・変化)
第3部 教育哲学研究は何を成果としてきたか(教育哲学は教員養成とどのように向き合ってきたか;教育哲学者は自らの研究の「役立ち」をどのように考えてきたのか;教育史研究者はなぜ教員養成を語らないのか;戦略型教育哲学と教員養成―アメリカにおける議論から;ドイツにおける教員養成と一般教育科学;フランスにおける教育哲学と教員養成;これからの教員養成のために―結びに代えて(座談会))