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[BOOKデータベースより]
史料の博捜と緻密な論証、主体的認識に裏打ちされた現実世界に対する問いかけ。世界史研究の新たな方向を模索する論集!
総論―世界史から、世界史へ
[日販商品データベースより]第1部 交渉する権力(近世国制とディアスポラ―一八世紀トランシルヴァニアのカトリック・ブルガリア人;混じり合う王権と地域権力―一八世紀フランスにおける国王裁判所の人的構成;国家の経済政策と地方都市―一七世紀後半のリヨン絹織物業ギルドと「コルベールの規則」の制定(一六六七年))
第2部 近代国家のちから(総力戦下の国民化と体育―第一次世界大戦期ハンガリーにおける兵士養成政策の成否;近代化のもとでの日常―一九世紀後半イギリスの官僚生活史;戦後日本の対東欧外交―一九五九年日本ハンガリー国交回復に至る交渉過程)
第3部 結合とネットワーク(葡萄酒の消費と商業圏の拡大―一八世紀フランス・ブルターニュ地方と大西洋世界;『佳人之奇遇』における国家観―留学生柴四朗の経験したアメリカとアイルランド系移民との接触;闘う移民と支援ネットワークの形成―一九二六年のパセーイク・ストライキにおけるアメリカの東欧移民労働者)
本書は、これまでの「西洋史学」や「世界史」研究を批判的に継承しながら、新たな方向を模索する論集。
「権力」を国家権力の問題としてのみ把握するのではなく、人間集団の相互作用と国家権力との複雑な関係性においてとらえようとする視点から、権力が作動する空間の存在に光を当てる第一部「交渉する権力」。
国民国家という歴史的存在を把握するための新たな視点を打ち出すべく、ネーション・ステイトという静態から把握するのではなく、国民化し続ける国家(ナショナライジング・ステイト)という動態からとらえ、そうした「ちから」の作動形態の分析が伝統的な歴史学のあり方にも新風を送る第二部「近代国家のちから」。
世界史はたんなる国民史の総和ではなく、地域世界史の総和でもない。さまざまな連関・関係・接続を問うことは、人々の生活世界に接近したところで世界史を構想する視点になり、同時にそれを支えている結合やネットワークが形成されるさいの権力関係を明らかにすることで新たな世界史像を模索する第三部「結合とネットワーク」。