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[BOOKデータベースより]
本書は、「寛容と良心」「政教分離」「信教の自由」という倫理学上の鍵概念をめぐる哲学的探求であると同時に、それらが初期アメリカ社会の歴史においてどのような実験と紆余曲折を経てきたかを尋ねる政治学的な探求である。
第1部 寛容論と良心論―歴史的文脈と今日的射程(中世的寛容論から見た初期アメリカ社会の政治と宗教;「誤れる良心」と「愚行権」―中世から近世への神学的系譜;「誤れる良心」と「偽れる良心」をどう扱うか―現代寛容論への問いかけ;人はなぜ平等なのか―平等の根拠としての「良心の自由」)
第2部 政教分離論―発展期の錯綜と現代の憲法理解(初期アメリカ社会における政教分離論の変容と成熟;ロジャー・ウィリアムズの孤独―規制原理としての分離主義と構成原理としての許容主義;さまよえる闘士―ロジャー・ウィリアムズ評価の変遷と今日の政教分離論;教会職と政治職―兼任の禁止と解禁の論理)
第3部 信教の自由論―プロテスタント的な自由競争原理の帰結(プロテスタント的な大学理念の創設―初期ハーヴァードのリベラルアーツと神学教育;ジョナサン・エドワーズと「大覚醒」の研究史;反知性主義の伝統と大衆リヴァイヴァリズム―Harvardism,Yalism,Princetonismをぶっとばせ;キリスト教の女性化と二〇世紀的反動としての男性化)