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[BOOKデータベースより]
デカルトは730通以上の膨大な往復書簡を残したが、それらはラテン語、フランス語、オランダ語で書かれた。そのうちわが国で翻訳されているのは30%ほどであり、数学や物理学に関わる書簡は割愛されてきた。本巻では初期の125通を扱い、若きデカルトが音楽論に強い興味を抱いていたことやレンズについての話題など数学や自然学に関する多くの書簡が収録される。友人への近況報告、出版社との打ち合わせから、彼が教会や政治権力に細心の注意をはらいつつ執筆していたことなど、生きたデカルトの姿が垣間見える。
デカルトからベークマンへ ブレダ1619年1月24日―フラマン語、音楽論
[日販商品データベースより]デカルトからベークマンへ ブレダ1619年3月26日―三次方程式、新しい学問、旅
デカルトからベークマンへ ブレダ1619年4月20日―ベークマンの安否
デカルトからベークマンへ ブレダ1619年4月23日―ドイツへの旅、無為からの救出、コンパス
デカルトからベークマンへ アムステルダム1619年4月29日―ルルスの術
ベークマンからデカルトへ ミッデルブルフ1619年5月6日―アグリッパの『註釈』
デカルトから兄へ レンヌ1622年4月3日―財産の売却
デカルトから父へ 1622年5月22日―父からの財産分与
デカルトから兄へ 1623年3月21日―イタリア旅行
デカルトから父へ ポワティエ1625年6月24日―裁判所長の職〔ほか〕
デカルトは730通以上の膨大な往復書簡を残したが,それらはラテン語,フランス語,オランダ語で書かれた。そのうちわが国で翻訳されているのは30%ほどであり,数学や物 理学に関わる書簡は割愛されてきた。
本シリーズ全8巻は研究者の使用に耐える翻訳を作成し,簡潔な歴史的,テキスト的な訳注を施して,基礎資料として長く活用されることを期して企画された。
17世紀において書簡の果たす役割は大きく,それは私的な文書であると同時に複数の人に読まれることを意識して書かれた。デカルトの場合,著作ではあまり触れられない心身問題や永遠真理創造説,形而上学の諸問題,道徳論など多くの哲学的問題に立ち入った議論がなされており,書簡を通してデカルト思想の細部が明らかにされる。デカルトは「書簡によって哲学する」,書簡は「知性の実験室」と言われる由縁である。
本巻では初期の125通を扱い,若きデカルトが音楽論に強い興味を抱いていたことやレンズについての話題など数学や自然学に関する多くの書簡が収録される。友人への近況報告,出版社との打ち合わせから,彼が教会や政治権力に細心の注意をはらいつつ執筆していたことなど,生きたデカルトの姿が垣間見える。