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[BOOKデータベースより]
神もなく、弁証法的統一もない物質世界のうちに、不定形で「怪物的な」自然の秩序を発見したディドロ。百科全書的体系知の根底にうごめく「奇形」への眼差し、同時代の化学や生理学にもとづくラディカルな自然史的認識はいかに形成されたのか。その著作群への鋭利で精密な分析を通じて、唯物論的一元論者としてのディドロのアクチュアリティを示し、従来の哲学者像を大きく書き換える力作。
第1部 弁証法の手前側―ヘーゲルによる『ラモーの甥』読解に関する考察(分裂と抵抗―ヘーゲルによる『ラモーの甥』解釈;ラモーは自己疎外的な精神たりうるか?―『ラモーの甥』における「ベルタン邸の食卓」部を中心に ほか)
[日販商品データベースより]第2部 抽象と形象(盲者の感性論と唯物論的一元論―『盲人書簡』読解;聾唖者と魂の位相に見るディドロ感覚論の基礎づけと展開―『聾唖者書簡』読解 ほか)
第3部 表象と実在(タブローを貫くディドロの唯物論―『百科全書』という原理;ディドロの中国観における進歩と道徳 ほか)
第4部 化学的思考と物質論―『自然の解釈に関する思索』から『物質と運動に関する哲学的原理』まで(ディドロにおける化学的思考の意義とその萌芽;十八世紀における化学的思考の問題系―ヴネルによる『百科全書』項目「化学」とディドロによる『ルエルの化学講義』 ほか)
第5部 一般性と怪物性―反‐理性の自然史(ディドロにおける自然史的思考と唯物論;生理学と政治学―ディドロにおける生態と政治とのエコノミー)
補論 十八世紀自然史概念における一般性の領域―ビュフォン『一般的個別的博物誌』より
神もなく、弁証法的統一もない物質世界のうちに、不定形で「怪物的な」自然の秩序を発見したディドロ。著作群の精密な分析を通じて、ディドロのアクチュアリティを示し、従来の哲学者像を大きく書き換える力作。