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- 沈黙の海
-
最後の食用魚を求めて
Tyst hav.- 価格
- 4,180円(本体3,800円+税)
- 発行年月
- 2009年11月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784794808202
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[BOOKデータベースより]
環境先進国スウェーデンでも見落とされていた重大な問題とは!?魚の消費国日本にも重要な意味をもつ一冊。スウェーデン・ジャーナリスト大賞&環境ジャーナリスト賞受賞。
第1章 ウナギ
[日販商品データベースより]第2章 警告
第3章 鳴らされない警鐘
第4章 共有地の悲劇
第5章 ヨーテボリの漁船がやって来るまでは…
第6章 漁業に対する経済的支援
第7章 EUと途上国との漁業協定
第8章 EUの共通漁業政策と乱獲の義務
第9章 魚の養殖―果たして最善の解決策か?
第10章 解決の糸口
『沈黙の春』から半世紀、海・漁業・食の未来を警告する衝撃の環境ドキュメンタリー!
スウェーデン西海岸には、数世紀にわたって小規模な沿岸漁業で生計を立ててきた漁村があった。そこでは、「海が許容する以上の魚は獲らない」というのが漁民たちのルールだった。しかし、1980年代に入ると他の漁港から大型の漁船が次々とやってきて、この漁港の沖合いで操業を始めた。最初はなす術もなく眺めていた地元の漁民も、負けじと海に繰り出し、夜も週末も関係なく漁を行うようになった……。かつては「海の魚は尽きることがない」と考えられていた時代もあったが、1950年代に先進国が漁業を産業的に大規模に行うようになって以来、世界中の海で魚の枯渇が懸念されるようになってきた。スウェーデンなどヨーロッパ諸国の行政機関も、漁の規制と漁船数の削減が必要だと認識するようになったが、彼らの行った政策は逆に乱獲を助長することになった。沿岸漁業を営んできた小型漁船を次々とスクラップにしていく一方で、大型漁船のさらなる近代化が推し進められている。また、がんじがらめ規制のために、スウェーデン近海だけでも毎年数千トンにおよぶ魚が陸揚げできず、海やゴミ処分場にそのまま投棄されている。問題はヨーロッパだけに留まらない。新たな漁場を求めるヨーロッパの漁船のために、EUはアフリカなど途上国近海の漁業権を買い取り、そこで新たな乱獲が行われている。そのために生活の糧を失った地元の漁民が経済難民や海賊となることで、新たな問題が生まれている。
本書は女性ジャーナリストである著者が3年がかりでまとめたもので、スウェーデンで刊行されるやいなやベストセラーとなり、人々に衝撃を与えた。その内容は、漁業大国日本の漁業や私たちの食に対しても、大きな示唆を与えるものである。
(訳者 佐藤 吉宗)