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[BOOKデータベースより]
対人関係療法(IPT)は、近年、うつ病患者に治療効果のある心理療法として急速に普及しつつあり、米国精神医学会のうつ病治療ガイドラインに認定され、わが国においても厚生労働科学研究に採り上げられている。IPTについては、基本的なマニュアルはあっても、その「本質」を理解し、臨床応用するための実践書はまだ少ない。実際の臨床現場においてIPTをどのように取り入れるべきかを、IPT成立の歴史から他の精神療法との違い、IPTが適用される精神科的障害に対するケーススタディを通して、専門家「ならでは」の関心と疑問から明確にしたのが本書である。
第1章 IPTの歴史
第2章 IPTの基本的な概念―大うつ病へのIPT
第3章 IPTと他の精神療法の相違点と共通点
第4章 対人関係に焦点を当てるということの意味―PTSD、摂食障害
第5章 「医原性役割の変化」という考え方―気分変調性障害、社会不安障害
第6章 共感と教育の両立―境界性パーソナリティ障害
第7章 対人関係スキルと医学モデルの「矛盾」を考える―反復性うつ病
第8章 思春期にIPTを用いることの意味―問題行動も含めた思春期うつ病への応用
第9章 IPTの質を損ねる問題