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[BOOKデータベースより]
僕の家は自動車教習所教官のとうちゃん、スーパーでパートで働くかあちゃんと、3歳年上のにいちゃんの4人家族。とうちゃんは寡黙でかあちゃんの言いなりで、うちで一番偉いのはかあちゃんなんだと思ってた。かあちゃんは美空ひばりちゃんが大好きだった。テレビのチャンネル争いはかあちゃんの「ひばりちゃん、ひばりちゃん」で決着した。ある日、うちの近所でコント55号の公開録画があった。ステージの上の欽ちゃん、二郎さんは輝いていた。しかし番組参加をつのる場面で、僕はどうしても手をあげられなかった。かあちゃんは他の誰よりも大きな声をあげて僕の手を持ち上げたけど、僕はさされなかった。帰り道、かあちゃんはなぜかひとこともしゃべらなかった―。いくつかの季節が過ぎ、あたたかい家族の中で僕は少しづつ大人になっていく。かあちゃんの好きなひばりちゃんの歌と、郷愁を誘う昭和四十年代の風景と共に。母と子、家族の強固な絆と、昭和の大スター美空ひばりと同時代を生きた女性の剛健な一代を叙情的に描く傑作小説。
[日販商品データベースより]いくつかの季節が過ぎ、大好きな家族の中で僕は少しずつ大人になっていく。かあちゃんの好きなひばりちゃんの歌と、郷愁を誘う昭和40年代の風景と共に…。おかしくてせつない、かあちゃんと僕の物語。