- 鉄塔武蔵野線
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- 価格
- 913円(本体830円+税)
- 発行年月
- 2007年09月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784797342642
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sige




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送電線の鉄塔を見る目が変わる
“オタク”にも色々あるものだ。これは“鉄塔オタク”の話。
武蔵野線の90本の鉄塔の写真つきで、鉄塔辞典の要素も持つ物語なのだが、鉄塔にもいろんな形式があり種類がある事が分かる。この作品を読んでからは、散歩のとき近くの鉄塔を興味深く眺め「あれは“女鉄塔”だ」などと考えるようになった。
90本の鉄塔を巡りその鉄塔の特徴を説明し、どのように“結界”にメダルを埋めるかを子どもの冒険として物語を進めるのは大変な根気のいる話だ。読んでいて当然予想される“飽き”はやはり来た。さらに嫌気に追い討ちをかけるように、鉄塔を振出から順にリムジンで巡っていく段は、さすがに読み飛ばしてしまった。
物語の内容としては面白いものではないが、子どもの無鉄砲な冒険らしさがよくかけていると思う。子どもの発想が随所に見られ新鮮な感じを受ける。“王冠で作ったメダル”とか“鉄塔に耳を当てて音を聞く”などは子供の頃を思い出した。
付録に「鉄塔 武蔵野線 MAP」なるものまで付いているが、“地図好き”な私はもっと詳しく地図を見たいので、国土地理院の地図閲覧サイトで地形図を見たら、送電線表示がなくなっていた。(現在のものは電子国土基本図というものに変わったらしい)しかし、旧2万5千部の一地図表示に切り替えると、送電線が表示された。この地図情報と、Googleマップの航空写真表示で武蔵野線の81番から1番まで辿ってみたりして楽しめた。
読後の余韻として、夕焼け空の中に凜として不動の姿勢を続ける鉄塔の姿が浮かんだ。
小説としての評価は☆2だが、鉄塔に興味持てたし、地図も楽しめたのでおまけ。

























[BOOKデータベースより]
夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は“武蔵野線75‐1”。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」―小学生の頃、誰もが抱いていた気持ちを見事に描き、未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した“鉄塔小説”。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。1997年映画化作品。著者が思いの丈を詰め込み、本当に望んでいた「完全版」に改編。鉄塔 武蔵野線1号から81号まで計500枚以上の写真を掲載し、幼き日の美しい思い出を遡る。