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[BOOKデータベースより]
現在の日本人がイメージする「張形」は、男性が女性に対して使う好事家的な性具(バイブレータ)であろう。しかし著者は、そうした意識の背景には女性には欲望はなく受身で、自慰もしないという「西欧近代的な性神話」が影を落としているという。一方、浮世絵春画の世界では、女たちは自らの性欲の解消に張形を積極的に使っている。だがこの世界でも、張形は女性への攻め具に変わっていく。本書は世界的にも稀有な江戸期の張形文化の変遷を、女性の視点で春画の図像・詞書を通じて読み解く性文化論である。
1 欲望の発露(錦の袋にはいった「女の性」;女の性欲と張形文化 ほか)
[日販商品データベースより]2 快楽の追及(奥女中の性を描いた『床の置物』;数字をめぐるおかしさ ほか)
3 開放感の伝播(性愛の先進地・上方の張形;京に遅れをとった江戸の張形 ほか)
4 好事家の世界へ(変貌する張形の用途;女のマスターベイションを描く文化 ほか)
自ら張形の大きさや形を選んで遊んだ女たちの奔放な姿。本書は世界的にも稀有な江戸期の張形文化の変遷を、女性の視点で春画の図像・詞書を通じて読み解く性文化論。図版84点を収録。