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[BOOKデータベースより]
党の長老にして首相のご意見番でもあるレーヘンスベルフは、同僚の突然の裏切りで議員辞職に追い込まれ、仕方なく回顧録でも書こうかと思う。そこへインドネシアへの経済使節団に加わる話が舞い込んできた。現地に着くと、記憶の底に押し込めたはずの光景が次々に蘇ってくる。彼のことを知っているかのごとくガイドする運転手(実は小学校の友人)、能天気な妻、残されていた母の手紙…。すべてに苛立ちながら、彼は少年の頃に収容されたバンドンの日本軍抑留所に引き寄せられていく。日本軍抑留所ですごした少年時代の体験を文学作品に昇華させた秀逸な作品。