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内村鑑三日録11(1920〜1924)
- 価格
- 5,170円(本体4,700円+税)
- 発行年月
- 1997年06月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784764263383
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[BOOKデータベースより]
1920年で内村は60歳の還暦を迎えました。大勢の人たちと協力して再臨運動を展開していた内村ですが、どうしても歩調を共にすることは困難な点に気づきました。それは、再臨のみを高調して、科学や進化論のすべてを否定する考え方でありました。内村に再臨の火をつけたトランブルや親友のベルとも、この意味では思想の相違を宣言するようになります。決別をうながした大きな理由は、再臨のみを説くあまり、贖罪の思想のゆるがせになることでした。1923(大正12)年9月に襲った関東大震災は、これをあくまで自然現象としながらも、そこに「近代人」の作り出した「文明」への一大警告を読みとろうとしました。翌年アメリカで決定した排日移民法には、往年のナショナリズムの血をはげしく湧き立たせました。日本のキリスト教界では、過激な排米主義のリーダーとも目されました。しかし、これもアメリカの「物質文明」と神の教えに反する人種差別への反発が、その根にありました。アメリカの「近代人」への反感とみることができます。ただ徳冨蘆花が評したように内村の激怒の背後に「米国に求め過ぎる」傾向のあったことはいなめません。
1 内憂
2 再生を求めて
3 地鳴り
4 近代人
5 ナショナリズム