2013年 6月号
山田正紀Masaki Yamada
来年でデビュー40年になる。新刊『復活するはわれにあり』は20数年ぶりに書いた冒険小説。「冷戦終結後の世界では冒険小説は成立しにくくなった。しかし現代ゆえの敵が見え始め、それが新しい冒険小説になるのではないかと」。主人公は、余命を宣告された車椅子のワンマン経営者。南シナ海の船上で巨大な敵≠ノ立ち向かう。タイトルには、自身が冒険小説に復活すること、そして文字通りの「復活」の思いも込めた。大病、手術、長期入院でしばらく執筆できない状態にあったのである。「今は完全な健康体に戻りました。これから名誉挽回したいと思います」。 SF、ミステリーのみならず、「冒険活劇はこれからも書いてみたい」という。
執筆スタイルが実にユニーク。iPadで手書き入力アプリを使って書いた後、データをパソコンに移し、手直しをする。「若い頃は手書きでした。去年からこれでまた手書きに戻ったわけです」。字数計算は400詰め原稿用紙換算アプリで。「おもしろいおもちゃのようになってます(笑)」

窓の外の新緑が美しい書斎にて。パソコンはデスクトップ、ノート、予備マシンの計3台が並んでいるが、メインの筆記用具は、専用スタンドに取り付けられたiPad。これにタッチペンで手書き入力していく。「寝転んで書くこともできますよ」。スタンドから外して持ち歩くことも、もちろん多い。「喫茶店、電車の中、ソファでテレビを見ながら……動き回ってあちこちで書いてます。書斎は嫌いなんです、仕事しなきゃいけないから(笑)」
(日販発行:月刊「新刊展望」2013年6月号より)
今月の作品
- 復活するはわれにあり
- 余命宣告された車椅子の実業家が、ハイジャッカーに立ち向かう。船上で繰りひろげられる緊迫した攻防戦。意外な犯人の狙い、そして真相は想像もつかないものだった…。海上を舞台とした冒険小説。








