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[BOOKデータベースより]
ソヴィエト連邦の崩壊後に、“ポストモダニズム”をまとって出現した、新たなロシア文学。その多彩な潮流を足がかりに現代ロシア文学の歩みを一望する。気鋭の翻訳者による待望の現代ロシア文学論。
序章 ロシア・ポストモダニズムとは何か
[日販商品データベースより]第1章 ポストモダン的「空虚」の諸相
第2章 現実とノスタルジーの狭間で―「新しいリアリズム」の台頭
第3章 ザハール・プリレーピン、あるいはポスト・トゥルース時代の英雄
第4章 再定義される社会主義リアリズム―エリザーロフ『図書館大戦争』
第5章 交叉する二つの自由―自由の探求から不自由の自由へ
第6章 アイロニーの終焉―ポストソ連ロシアにおけるチェチェン戦争表象
第7章 身体なき魂の帝国―マムレーエフの創作における「我」の変容
第8章 ナショナルな欲望の再(脱)構築―二〇〇〇年代以降のソローキン
終章 ロシア文学のゆくえ
ゼロ年代のロシア文学とはなんだったのか。ソローキンなど数々の翻訳で知られる著者の初の単著にして、待望の現代ロシア文学論。
ソ連崩壊後のロシアでは、国家の形だけでなく文化や文学も多様化する。本書は90年代ロシアの新しい潮流として影響力を持った《ポストモダニズム》を軸に据え、ゼロ年代にいたる多彩なロシア文学の歩みを「一つの物語」として読む試み。現代思想やチェチェン戦争の影響など、現代ロシア文学をアクチュアルに一望する。
*2021年度日本ロシア文学会賞受賞。
装幀:宗利淳一/装画:田辺耕世