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[BOOKデータベースより]
スウィフトの生きた時代と彼の人生を回顧し、他の著作にも触れつつ彼の代表作である『ガリヴァー旅行記』の新解釈を試みる。これまでの研究では掘り下げが不十分だった彼の政治経済思想にも踏み込み、その社会思想を歴史のなかで読み解く。
公共的知識人としてのスウィフト
[日販商品データベースより]第1部 思想形成と論壇デビュー(一六六七‐一七〇九年)(スウィフトの出自と自己形成;ムア・パークの日々;ホイッグとしての論壇デビュー ほか)
第2部 公共的知識人(一七一〇‐一七二六年)(アン女王時代の政治活動と思想;トーリーの政論家として;首席司祭スウィフトとアイルランド問題 ほか)
第3部 『ガリヴァー旅行記』とその後(一七二七‐一七四五年)(政治経済の風刺家としてのスウィフト;『ガリヴァー旅行記』における政治的徳―変貌する秩序のなかで;ヤフーとは何か ほか)
奴婢訓と晩年のスウィフト
本書はスウィフト研究であり、彼の名作『ガリヴァー旅行記』の新解釈を試みるものである。『ガリヴァー旅行記』に込められた風刺の意図は複雑である。その対象は当時のイングランド社会を中心に、貨幣信用経済や宗教、王立協会、習慣や伝統、さまざまな国や社会の政治、文化伝統にも及び、それは旅行記かつ風刺文学という形式をとった、まさに包括的な文明批評である。『ガリヴァー旅行記』以外の主要な著作についても触れながら、これまでの研究では掘り下げが不十分だったスウィフトの政治経済思想にも踏み込み、その社会思想を歴史の多様な文脈のなかで読み解く。時代精神の腐敗を憂い、アイルランドの自由を奪いながらも賄賂を恥じない多くの為政者を批判し、ブリテンの政争・金権・頽廃を告発したスウィフトこそ、公共的知識人の典型であったのではないだろうか。