内容情報
[BOOKデータベースより]
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命のやりとりから遠ざかって無関心になっていないかな。必要な分の命をたいせつに食べる人がふえれば今よりたぶん、たくましくて、やさしい世の中になる。飽食の時代に一石を投じる「しらす体験物語」。
[日販商品データベースより]お母さんがりょう君を呼んでいます。まだ遊んでいたいのにご飯の時間なのです。いやいやながら食べるりょう君。食べ終わって食卓を立つと、どんぶりがりょう君を呼び止めました。その声に振り向くと、どんぶりにはしらすが残っていました。
「そろそろ ごはんよ」庭で遊んでいたりょうくん、いやいや食卓につきます。まだまだ遊んでいたいのに。今日のご飯はしらすどん。あっという間に食べて、ごちそうさま。ところが席を立つりょうくんに、どこかから呼び止める声がします。「まだ あるよ」声の主はどんぶり。見ると、どんぶりの中には食べ残された小さなしらすが一匹。どんぶりは続けて言うのです。「自分がしらすだったらって、かんがえたことある?」その瞬間、りょうくんはみるみる小さくなって、どんぶりに吸い込まれ……!?どこにでもある日常の光景が、この場面をもって急展開。しらすの代わりにどんぶりに残された小さなりょうくんは、生ごみとして捨てられて、そこから信じられない光景を次々に目の当たりにするのです。なんという絵本でしょう。その驚きの展開に圧倒されながら、特筆すべきはその描写。見たことも体験したこともないはずのしらすの生涯なのに、読み終わってみれば、いつの間にかりょうくんと同じような感覚を味わってしまうのです。この作品が絵本デビュー作となる最勝寺朋子さんは、実際にシラス漁を体験されたり海にもぐったり、絵本のための取材を丁寧に重ねていったのだそう。怖い? いや、美しい? それとも……。感覚的に「命を感じる」ことができる、存在感の大きな絵本の登場です。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
どこかシュールな印象をうける表紙に興味をひかれて読んでみました。なつかしい感じの絵と雰囲気から一気に不穏な展開に! 最後まで全く予想できない展開に、いろいろびっくりしながら読み終わりました。怖さも感じましたが、子どもたちに食べ物を大事に食べることを伝えられるお話だと思います。(あんじゅじゅさん 50代・高知県 )
【情報提供・絵本ナビ】