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[BOOKデータベースより]
天保の改革ののち、長年幽閉されていた鳥居胖庵が戻ると江戸はなくなっていた。軽薄な「東京」に憤然とする胖庵は困窮に喘ぐ見習い能役者と知り合う。立場も年齢も違う二人が心を通わせる中で遭遇する、やるせない市井の事件の数々。転変の世を生き抜く者の意地と哀歓を描く本格派時代小説。明治五年、東京。居場所をなくした二人が向かうべき道とは?
[日販商品データベースより]江戸から明治へ。変わりゆく世に取り残されようとも、変わらない生き方がある。かつて蘭学や歌舞音曲を弾圧して「妖怪」と嫌われた奉行・鳥居胖庵。幽閉二十三年の末に彼が目にした江戸は「東京」へと変貌していた。西洋文化を拒む胖庵は若い能役者と出会う。能楽もまた明治に没落の道を歩んでいた――おかしな二人が遭遇するささやかな事件と謎。世に翻弄されても懸命に生きる人々を哀歓込めて描く正統派時代小説。