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- 抱擁
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この世でいちばん冴えたやりかた
小学館文庫 つ11ー1
- 価格
- 869円(本体790円+税)
- 発行年月
- 2018年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784094065428
[BOOKデータベースより]
現代最高の物語作者の傑作二冊を合本にして初文庫化!第一部「抱擁」は二・二六事件の翌年、東京駒場の前田侯爵邸で起こる謎に満ちた事件を描くゴシック・ミステリ。第二部「この世でいちばん冴えたやりかた」には中国と日本を舞台にした奇譚の数々、七篇の名品が並ぶ。著者の代表作『遊動亭円木』の外伝三作をはじめ、表題作は天安門事件を背景にした奇想あふれる「黄河水源踏査行」の物語。
[日販商品データベースより]ゴシックミステリから奇譚まで極上の物語集
元版は2002年刊の短篇集『約束よ』と2009年刊の中篇『抱擁』。二冊を合本、二部構成にして初の文庫化。第一部「抱擁」は、二・二六事件の翌年、昭和12年の東京駒場の前田侯爵邸を舞台に展開する。18歳の小間使い(わたし)の検事に向かっての供述で語られる物語。5歳の令嬢・緑子の不可思議な行動、ゴシック建築の洋館で起こる異様な事件、物語は謎をたたえて結末に向かって走り出す。ヘンリー・ジェイムズの傑作『ねじの回転』をパスティーシュした傑作である。
第二部は総タイトルを「この世でいちばん冴えたやりかた」と改め、七篇の名品が並ぶ。日本と中国を舞台にした奇譚の数々。一篇一篇がその文章力と物語の起伏で読む手が止まらない。特筆すべきは著者の代表作である盲目の落語家を主人公にした『遊動亭円木』(谷崎潤一郎賞)の外伝三篇が収録されていること。ファン感涙である。若き日に中国貿易に携わった著者でこそ書ける中国を舞台にした三篇もすごい。時代も唐から現代まで、そのストーリーテリングは凡百の作家の追随を許さない。タイトルに採った「この世でいちばん冴えたやりかた」は天安門事件を背景にした驚くべき現代の奇譚。単行本時の表題作だった「約束よ」には官能の匂いが立ちのぼる。
さらに、作品の中にさりげなく引用されるフロベールの『ボヴァリー夫人』とボルヘスの掌篇、豊潤な作品を詰め込んだ「世界文学」ともいうべき至福の物語集である。
解説は宮下奈都。
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