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- 脳とクオリア
-
なぜ脳に心が生まれるのか
講談社学術文庫 2586
- 価格
- 1,738円(本体1,580円+税)
- 発行年月
- 2019年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065176658
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[BOOKデータベースより]
私たちの心の中で起こっていることは、すべてニューロンの発火である。しかし、それが複雑に影響し合うことによって、心の中には熱帯雨林のように豊かで、唯一無二のクオリア(質感)が生じる。自然科学としての「因果的自然」と、クオリアが表す「感覚的自然」―「脳」と「心」は、どのように結ばれるのか?意識の謎に正面から挑む科学者の主著。
「心」と「脳」を「クオリア」が結ぶ
[日販商品データベースより]認識は「私」の一部である
「反応選択性」と「認識におけるマッハの原理」
認識の要素
相互作用同時性の原理
最大の謎「クオリア」
「意識」を定義する
「理解」するということはどういうことか?
新しい情報の概念
生と死と私
私は「自由」なのか?
心と脳の関係を求めて
『脳とクオリア』に書かれていることは、それなりにオリジナルなことだと信じている。刊行から二十年以上が経った今でも、類書はあまりない。内容も古くなっていない。それは、本書の価値であると同時に、意識研究、より広く言えば脳科学研究、さらには人工知能研究の現状を示しているとも言える。――「文庫版へのあとがき」より
*
私たちの心の中で起こっていることは、すべてニューロンの発火である。これが、恐ろしく複雑な分子機械である脳の、単純な作動原理でもある。
しかし、ニューロンがシナプス結合を通して、お互いに複雑に影響し合うことによって、私たちの心の中には、熱帯雨林の生態系のような豊かなクオリア(質感)が生じる。
クオリアが多彩で、柔軟性に富んでいるということは、そのまま私たちの脳の中の情報処理の多彩さ、柔軟性の反映なのである。
そして、この一つ一つのクオリアを、私たちの心は、他とは混同しようのない個性をもったものとして捉えている。つまり、私たちが感覚をとおして世界を認識するということは、クオリアの自己同一性を通して世界を認識するということである。
クオリアという質的表現が、数字や量による表現とは比べ物にならないくらいの多様なものを感覚し、認識することを助けているのだ。
自然科学としての「因果的自然」と、クオリアが表す「感覚的自然」――すなわち「脳」と「心」は、どのように結ばれるのか?
「クオリア」という感覚的自然にとっては自明な属性は、因果的自然と、どう結びつけることができるのか?
私が私であることの不思議、意識の謎に正面から挑む、科学者の主著!