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[BOOKデータベースより]
夫90歳、妻85歳。夫はある日、崩れるように倒れた。私はその時から、覚悟を決めた。
第一部 変わりゆく夫を引き受ける(わが家の「老人と暮らすルール」;夫の肌着を取り替える;布団が汚れたら、どうするか;八十五歳を過ぎた私の事情;夫の居場所を作る;食事、風呂、睡眠のスケジュール;モノはどんどん捨てればいい;夫が突然倒れた時のこと;よく歩く、薬は控える、医者に頼らない;介護にお金をかけるべきか;「話さない」は危険の兆候;介護にも「冗談」が大切;明け方に起きた奇跡;夫に怒ってしまう理由;散々笑って時には息抜き;「食べたくない」と言われて;老衰との向き合い方;「奉仕」とは排泄物を世話すること;温かい思い出と情けない現実)
[日販商品データベースより]第二部 看取りと見送りの日々(夫の最期の九日間;ベッドの傍らで私が考えていたこと;戦いが終わった朝;息子夫婦との相談;葬式は誰にも知らせずに;お棺を閉じる時の戸惑い;夫の遺品を整理する;変わらないことが夫のためになる;広くなった家をどう使うか;遺されたメモを読み返す;心の平衡を保つために;納骨の時に聞こえた声;「夫が先」でよかった;人が死者に花を供える理由;夫への感謝と私の葛藤;「忘れたくない」とは思わない)
夫・三浦朱門はある日、崩れるように倒れた。私は日々刻々と夫の精神活動が衰えるのを感じた。その時から、覚悟を決めたのである――。作家・曽野綾子が80代なかばにして直面した、90歳になる夫の在宅介護。「介護とは」「看取りとは」そして「老いとは何か」を自問自答する日々が始まった。すべての日本人に知ってほしい、夫婦の愛のかたち。
夫・三浦朱門はある日、崩れるように倒れた。短い検査入院の間に、私は日々刻々と夫の精神活動が衰えるのを感じた。その時から、一応覚悟を決めたのである。夫にはできれば死ぬまで自宅で普通の暮らしをしてもらう。そのために私が介護人になる――。
作家・曽野綾子が80代なかばにして直面した、90歳になる夫の在宅介護。工夫と試行錯誤を重ねながら、「介護とは」「看取りとは」そして「老いとは何か」を自問自答する日々が始まった。
家族の介護をしている人も、これからするかもしれない人も、超高齢社会を迎えるすべての日本人に知ってほしい「夫婦の愛のかたち」がここにある。
2017年2月の三浦氏逝去を越えて続いた、「週刊現代」大人気連載が待望の単行本化。