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- 贄の花嫁
-
優しい契約結婚
角川文庫 す29ー2
- 価格
- 704円(本体640円+税)
- 発行年月
- 2021年09月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784041118733
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[BOOKデータベースより]
私は今日、顔も知らぬ方へ嫁ぐ―。雨月智世、20歳。婚約者の玄永宵江に結納をすっぽかされ、そのまま婚礼の日を迎えた。しかし彼は、黒曜石のような瞳に喜びを湛えて言った。「嫁に来てくれて、嬉しい」意外な言葉に戸惑いつつ新婚生活が始まるが、宵江は多忙で、所属する警察部隊には何やら秘密もある様子。帝都で横行する辻斬り相手に苦闘する彼に、智世は力になりたいと悩むが…。優しい旦那様と新米花嫁の幸せな恋物語。
[日販商品データベースより]私は今日、顔も知らぬひとのもとに嫁ぐ――。
雨月智世(うづき ともよ)、20歳。婚約者の玄永宵江(はるなが しょうえ)に多忙を理由に結納をすっぽかされ、一度も会えぬまま今日に至ったのだ。
初めて顔を合わせた彼は、恐ろしいほどに整った顔と、美しい黒曜石のような瞳を持つ美丈夫だった。
智世を見つめる彼の目に浮かんでいたのは紛れもない歓喜。「嫁に来てくれて本当に嬉しい」――。
何故宵江がここまで想ってくれるのか分からぬまま、智世は玄永家での生活を始めるが、宵江は相変わらず多忙らしく、すれ違い生活が続く。
この結婚について、そして自分のことを本当はどう思っているのか、何も話し合えぬまま、智世は不安な日々を過ごす。
だが、宵江は常に智世に優しく、また玄永家の屋敷のものたちも智世に気軽に話しかけてくれるため、智世の心もほぐれ、新生活を楽しめるようになってきた。
そんなある日、屋敷の書庫で智世は玄永家の秘密を知ってしまう。
実は玄永家は人間ではなく狼の一族。先祖代々時の政権に仕え、国の平和を乱す異形に対処する「異形専門」の警察部隊だったのだ。
しかも、そこには自分の生家・雨月家の家系図も。なんと雨月家は代々、神に仕える巫女――神凪(かんなぎ)の家系だったという。自分はもしかして、宵江に捧げられた生贄なのか……。
疑問が頭をうずまくなか、何も教えてくれない宵江に智世は不安を覚えるが、宵江の溺愛ぶりは全く変わらずで調子が狂ってしまう。
その頃から、智世が嫁ぐ前から横行していた辻斬りが激しくなり、宵江の周りもきな臭くなり、智世は自分に出来ることはないか苦悩するが……。
これは、優しい旦那様と一生懸命な花嫁の、幸せな物語。
イラスト/烏羽雨