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[日販商品データベースより]
ボルヘスやコルタサル、ムヒカ=ライネスなどのラテンアメリカ文学の紹介者として活躍し、英国世紀末文学を専門とする学究としても広く知られた土岐恒二(1935-2014)。だが、いかにもストイックな精読者・翻訳者らしく、これまで氏の論文やエッセイは単著に纏められていない。
本書は、1961年に遡るその主要著作をテーマ別に編纂し、一人の寡黙な精読者(リズール)が旅した文学的・文化的な地図を、彼のテクストに共鳴する現代日本の論者たちとともに描き出そうとするものである。
【構成】
第一部:「照応」──土岐恒二の仕事:1961-2015
1)単行本未収録のエッセイや論文多数に加え、2)これらの仕事に関わりの深い、雑誌等に単発的に発表されて現在入手困難だが、今日見てもなお重要と思われる翻訳業績──ジョイスのブレイク論やパウンドの読書論など、主として20世紀の文学批評を中心とする──を集成する。
第二部:「総合」──シンポジウム
内容やテーマの点で第一部と響き合うエッセイを多方面から募り、比較的寡作であった土岐恒二氏のテクストが、多方向に広がった大きな水脈を成すことを鮮やかに描き出す。
執筆者:安藤哲行、若島正、加藤光也、高山宏、島高行、岡本正明、三宅昭良、高岸冬詩、伊達直之、千葉康樹、富士川義之、松本朗、橋本安央、和気一成、富山英俊、吉田朋正…。