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[BOOKデータベースより]
飼い主・弥生の病気が治るようお祈りするため、ムツキは、江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに出された。京都までは、知り合いのご隠居さんといっしょに旅ができるはずだったが…。ムツキの、往復340里(約1340km)にもおよぶ旅路と、道中での出会いや別れをえがく。「こんぴら狗」というかつて実在した風習をもとにした、江戸時代の歴史物語。
[日販商品データベースより]犬が一匹で、江戸から讃岐の金毘羅さんまでお参りに!?
江戸時代、伊勢参りや金毘羅参りは庶民の憧れ。でも自分はなかなか旅には出られないから、代わりに飼っている犬にお参りに行かせる。そんな、今では信じられないユニークな風習がありました。
中でも讃岐の金毘羅まで、代理でお参りにいく犬のことを「こんぴら狗」といいます。
本作はその「こんぴら狗」を題材に描かれました。
主人公は雑種犬のムツキ。捨てられ、弱りはてていたところを拾ってくれたのが、飼い主の弥生。でも、今度は弥生が病気でふせってしまいます。
弥生の治癒祈願のため、ムツキは「こんぴら狗」として、江戸から金毘羅参りに向かうことになります。
まずは京都まで、ムツキをかわいがってくれている瀬戸物問屋のご隠居と一緒に向かいますが…。
波乱に満ちたムツキの旅と、道中での出会いと別れ。ムツキの旅を応援し、ムツキの金毘羅参りにささやかな祈りを託す人々の温かさを描き出します。
装画・挿絵は、レトロポップな画風で知られるいぬんこさん。江戸時代の庶民たちを生き生きと描きます。
3年にわたる取材を経て書きあげられた、こだわりの本格歴史犬小説をぜひお楽しみください。
第64回青少年読書感想文全国コンクール課題図書。第58回日本児童文学者協会賞、第65回産経児童出版文化賞「産経新聞社賞」、第67回小学館児童出版文化賞受賞。
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病気平癒祈願の道中記が犬の目線で描かれています。
私が一番共感を持って読めたのは、目の見えない子どもと母親の道中でした。
ちょうど、愛知の佐屋(愛西市)、有松(名古屋市緑区)万場(中川区)などが出てきて土地勘もあるだけに情景が目に浮かぶように臨場感を持って楽しめました。
睦月の旅を江戸時代の地図を使ってたどってみても楽しそうです。
長い距離なので、当然楽しいだけではありません。助けてくれる人、そうではない人、人々の生活の機微が伺えました。
3年をかけたという労作です。夏休みに江戸の情緒に浸ってみるのもよさそうです。(はなびやさん 50代・愛知県 男の子16歳)
【情報提供・絵本ナビ】