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- ダックスフントのワープ
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- 価格
- 524円(本体476円+税)
- 発行年月
- 2000年11月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784167614010
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【2016年10月発売】
ユーザーレビュー (2件、平均スコア:5)
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- sige
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難しいが面白い
著者の処女作。あのハードボイルドタッチの「テロリストのパラソル」とは全く違う雰囲気だ。このような“難しい”作品は得意ではないが、作品に入り込んでしまう力を持っている。
書評家が言うように確かに村上春樹の作品のような雰囲気を持つ。
スケボーに乗るダックスフントがワープして入り込んだ異空間がまるでシュールな絵画を見ているようだ。それは「不思議の国のアリス」のようでちゃんと“うさぎ”まで出てくる。
うさぎは“ネジ式(つげ義春みたい)”で“ネジまき鳥”ならぬ“ネジまきウサギ”だ。
このほか、3篇の短編が収録されている。哲学書を万引きした女の話や、外国人との異父兄弟の話、一日のうち決まった4時間だけこの世に現れる幽霊の話。読解力のない私には難しいが不思議さを楽しめる。
この作品と同じ時期に村上春樹が「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を発表している。それで考えるところあったのか、路線を変更しこの10年後に「テロリストのパラソル」で再デビューしている。正解だったと思う。
このての作品は村上春樹一人で十分だ。
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世間とは一歩離れたところにあるような雰囲気
藤原伊織のデビュー作。後に乱歩賞と直木賞を受賞することになる作家、とは到底想像もつかない正統派純文学。後に大衆文学、ハードボイルド、ミステリーの傑作を残していることを考えると、こうした教訓的、哲学的純文学を書いていたという事実は意外にしか思えない。しかも、その純文学が素晴らしい出来。その才能の前にはもはや感服の至り。すばる文学賞を受賞した表題作を含む4つの中篇すべてが名作。誰がなんと言おうと、この人は天才だ。
[BOOKデータベースより]
大学の心理学科に通う「僕」は、ひょんなことから自閉的な少女・下路マリの家庭教師を引き受けることになる。「僕」は彼女の心の病を治すため、異空間にワープしたダックスフントの物語を話し始める。彼女は徐々にそのストーリーに興味を持ち、日々の対話を経て症状は快方に向かっていったが…。表題作ほか三篇。