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[BOOKデータベースより]
娘の誕生、先妻の死…、「藤沢周平」となるまでの苦闘の足跡を遺された手帳から、愛娘が読み解く。
1(私、産まれる;親子三人;小説を書かねばならない;新しい年;オール讀物新人賞応募;仕事と子育て;父の子守歌)
[日販商品データベースより]2(金山町雑記;二足のわらじ;直木賞受賞;専業作家となる;小説の転機;徹底して美文を削り落とす)
作家・藤沢周平が亡くなって二十年。
娘・遠藤展子さんの手元には、父の手帳、計4冊が遺されていた。そのなかには、展子さんが生まれた昭和38年から、直木賞を受賞し、作家生活に踏み出した昭和51年までの苦悩と格闘の日々が克明につづられていた。
展子さん誕生の8か月後、28歳で先妻悦子さんが病死。当時から小説の情熱やみがたく、執筆、投稿生活を送っていたが、「作家・藤沢周平」は夫婦の夢でもあったのだ。
小説を書かねばならないーー。絶望のなかで、藤沢周平は何度も決意を書き記す。
幼い娘の育児と仕事を両立させていたギリギリの生活。再婚、新人賞受賞、いよいよ小説家への一筋の光が見えてくる。そこから直木賞受賞までの煩悶、作品、生活に対する厳しい自己批評・・・、愛娘がその苦闘の記録を読みとく。
「?しぐれ」「たそがれ清兵衛」など、哀感あふれる作風で知られる作家のデビュー前からの変わらぬ姿勢が伝わってくる一冊である。