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[BOOKデータベースより]
東京都庁の劣化が著しい。抵抗勢力の前に屈してきた歴代知事、チェック機能の役割を果たしていない都議会、定年後の天下りを目論む幹部職員など、お粗末で既得権益まみれの実態がある。期待が寄せられる小池百合子現知事も最大会派との二項対立が目立つばかりで「東京大改革」には程遠い。豊洲問題も宙ぶらりんだ。親小池派とも反小池派とも一線を画す現職都議が、知られざる都庁の内幕を明かす。
第1章 歴代都知事の蹉跌と功罪(都知事の強大な権限と高待遇;小池知事が廃止した「復活予算」の正体 ほか)
第2章 血税の使われ方は適正か(アイルランド、フィンランド並みの予算規模;景気変動に左右される都財政 ほか)
第3章 都議会と都議の闇(報酬は政活費込みで年間約2000万円;都議の怪文書をばら撤く秘書 ほか)
第4章 都庁幹部職員のオイシイ老後生活(全国の地方公務員の中で最高給の都庁職員;懲戒処分者は11か月で26人 ほか)
最終章 強く優しい東京をつくるために(都から市区町村への分権を;「東京3・0」への布石 ほか)
現役都議が明かす伏魔殿・東京都庁の内幕
小池百合子氏の知事就任以降、東京都政に関する報道は、国政に肩を並べんばかりの勢いで、連日続いている。築地市場移転や五輪会場建設、都議会有力者が幅を利かせる状況などは、多くの都民が知らなかった事実であり、これらが明るみに出た点は、小池氏の功績といえる。しかし、都庁職員への予算編成の指示は従来のものから大して変わらず、一部の都議が握っていた利権をあたかも小池知事が狙っているかのようにさえ見える。このままでは、看板として掲げられた大改革ではなく、まさしく大山鳴動ネズミ一匹となりかねない。
歴史を遡っても、都が行う大規模事業において、都庁関係者の馴れ合いなどが垣間見える。古くは鈴木俊一時代の都庁舎建設では各ゼネコンの応札金額に疑義をもたれながら、調査の結果はうやむやに。さらに、石原慎太郎主導で行われた豊洲市場に関する審議では、最大会派からの議員引き抜きで知事議案を成立させるといった、パワーゲームが繰り広げられた。また、事業に携わった企業や団体には、1960年代から今に至るまで、多数の都庁幹部職員が天下ってもいる。東京ガス、鹿島、大成建設といった「豊洲関連企業」が目白押しだ。
都執行部、都議会と都議、都庁職員の実態を豊富なデータと共に詳らかにする。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の柳ヶ瀬裕文氏は、1人会派に属する現役都議。従来からの都議会の慣行に異議を唱え、小池知事の手法に対しても是々非々の立場から物申します。これまでの小池氏=ヒロインという見方が必ず変わる一冊です。
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