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[BOOKデータベースより]
中国文化の流入により、美術が多彩に再編されていった室町時代。将軍家は「唐物」を飾り、公家は伝統的な「和」を保持し、禅僧は宗教美術の枠を超えた書画の世界を展開する。雪舟の国宝六作品をはじめ、雪村、三阿弥、土佐派といった室町時代の代表的絵師の作品を集約。
[日販商品データベースより]200年間に起こった革新的「美の再編」
室町時代の美術、といえば、まず思い浮かぶのが雪舟だろう。日本で最初に外国切手に登場した人物であり、「床に落ちた涙を足の親指につけ、ネズミの絵を描いた」エピソードはあまりに有名である(これは江戸時代に生まれた創作であるそうだが)。雪舟といえば水墨画、それを学んだのは中国・明(みん)である。京都でパッとしなかった彼は応仁文明の乱で領国(山口県)に戻らざるを得なかった有力武家の助力で憧れの中国留学を果たしたのだ。その帰国後、やがて国宝となる作品を描いたのである。
というように、室町美術を楽しむうえで外せないキーワードは「中国」だ。そして、中国=漢と日本=和、二つが融合することでより古典を意識するようになったやまと絵屏風や絵巻たち。中国との関係、応仁文明の乱といった時代背景、また美術品に資産価値が生ずるなど現在のアート産業のあり方に通ずる現象を感じながら、土佐派、狩野派、能阿弥、芸阿弥、相阿弥、といった単体では誰もが聞いて見たことのある画家たちの作品が有機的につながっていく構成を試みてみた。
室町時代はイコール水墨画ではない。革新的ともいえる美の再編が、行なわれていたのだ。
【編集担当からのおすすめ情報】
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