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- イマジネール
-
想像力の現象学的心理学
講談社学術文庫 2568
L’IMAGINAIRE- 価格
- 1,892円(本体1,720円+税)
- 発行年月
- 2020年05月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065194386
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[BOOKデータベースより]
実存主義の旗手ジャン=ポール・サルトル(一九〇五‐八〇年)が一九四〇年に出版した哲学著作。豊富な具体例を交えて「イメージ」と「想像力」を考察した本書は、哲学・思想のみならず創作の現場に尽きせぬインスピレーションを与え続けている。これまで『想像力の問題』の表題で流通してきた重要書を、第一級の研究者が総力をあげて待望の新訳!
第1部 確実なもの(イメージの志向的構造;イメージの仲間)
[日販商品データベースより]第2部 蓋然的なもの(心的イメージにおけるアナロゴンの本性)
第3部 心的生におけるイメージの役割(象徴;象徴的図式と思考の挿絵;イメージと思考;イメージと知覚)
第4部 想像的生(非現実的対象;非現実的なものを前にしての諸行為;想像力の病理学;夢)
結論(意識と想像力;芸術作品)
本書は、実存主義の旗手として知られるフランスの哲学者・文学者であるジャン=ポール・サルトル(1905-80年)が1940年に出版した哲学著作である。ここに待望の文庫版での新訳をお届けする。
パリに生まれ、高等師範学校で哲学を学んだサルトルは、1927年に高等教育修了論文「心的生におけるイメージ」を執筆した。指導教授に出版を勧められたその原稿は、版元のアルカン社の判断で前半部だけが出版される。それが1936年に刊行された初の単著『想像力(L’Imagination)』である。その後、哲学論文「自我の超越」(1936年)、短篇小説「壁」(1937年)を発表したサルトルは、1938年に刊行した長篇小説『嘔吐』で一躍作家として脚光を浴びることになる。翌年勃発した第二次世界大戦に従軍したため、高等教育修了論文の後半部と考えられる本書『イマジネール(L’Imaginaire)』の出版は、1940年まで待たなければならなかった。
本書の主題となっている「イメージ(イマージュ)」は、両大戦間期にシュルレアリスム運動に参加した人たち、ジョルジュ・バタイユ、ガストン・バシュラールが関心を寄せた対象だった。そのような状況の中で本書が出版されると、即座に反応してイメージ論を展開したのがモーリス・ブランショであり、エマニュエル・レヴィナスである。その後も、モーリス・メルロ=ポンティ、ミシェル・アンリ、ロラン・バルト、ジル・ドゥルーズといった人たちにとって、サルトルのイメージ論が重要な対話相手になったことを忘れてはならない。
近年、イメージや想像力に対する関心は、映像をはじめとする創作の現場も含め、新たな広がりを見せている。豊富な具体例とともに多様な方向で考察が展開される本書を、研究の最前線に立つ二人の研究者が学術文庫のために新たに訳出した。決定版となるこの新訳によって、本書はさまざまな世界で刺激をもたらし続けるだろう。
[本書の内容]
序(アルレット・エルカイム=サルトル)
第一部 確実なもの
第一章 記 述
第二章 イメージの仲間
第二部 蓋然的なもの
第三部 心的生におけるイメージの役割
第四部 想像的生
結 論
訳者解説(澤田 直)