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- すべての戦争は自衛から始まる
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- 価格
- 792円(本体720円+税)
- 発行年月
- 2019年01月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784065143100
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[BOOKデータベースより]
侵略を目的として軍隊を持つ国はない。あくまで自衛のための軍隊。それは世界共通だ。イスラエルの軍隊の名称は「国防軍」。アメリカのペンタゴンは「国防総省」で、中国は「人民解放軍」。しかし自衛の意識は簡単に肥大する。歴史がそれを証明する。この国が再び戦争を選ばないために。注目の論考、遂に文庫化。
第1章 すべての戦争は自衛から始まる(南京大虐殺、被害者は三〇万人でも一五万人でも(端的に言えば)どっちでもいい;北朝鮮の戦勝記念館には「自衛」のメッセージが溢れていた ほか)
[日販商品データベースより]第2章 「自分の国は血を流してでも守れ」と叫ぶ人に訊きたい(冷戦時代の産物だった抑止力は、こうしてまた息を吹き返した;平和で頭がボケているからこそ、気軽に「血を流す覚悟」などと口にできるのだ ほか)
第3章 戦争の責任はA級戦犯だけにあるのではない(橋下市長の慰安婦問題発言は、女性はもちろん、男性をも蔑むものだ;タイトルを勝手につけるな。批判するなら最後まで読め。絶対にまとめるな ほか)
第4章 それでもこの国は、再び「戦争」を選ぶのか(最大の自衛とは、安全を脅かす存在を洩らすことなく消滅させることである;治安維持法制定時の新聞を見て実感、この国はまた同じ時代をくりかえす ほか)
エピローグ 日の丸の小旗を振りながら粛々と集団は動く
歴史上、多くの戦争が自衛意識から始まった。ナチス最高幹部だったヘルマン・ゲーリングは「戦争を起こすことはそれほど難しくない」と述べている。「国民に対し、我々は攻撃されかけているのだと危機感をあおり、平和主義者には愛国心が欠けていると非難すればいい」と。安倍政権は危機を誇張して「抑止力」や「自衛」の必要性を訴えている。「集団化」が加速するこの国は、その意味を深く考えないまま流されてしまうのか。
だから、「戦争はダメ!」と言い続けなければならない。いや、それでは足りない。「戦争はダメ!」だけではダメなのだと言わなければ。なぜなら、それだけでは「戦争を回避するために抑止力を高める」とか「戦争を起こさないように自衛力を身につける」などのレトリックに対抗できなくなる。我々は戦争の被害だけでなく加害の記憶を刻む必要がある。被害と加害の二つの視点を重ねることで、普通に市井に生きていた人が、なぜあれほど残虐な行為に耽ることができたのか、そのメカニズムが明らかになる。理由までは行き着けないにしても、人間とはそんな存在なのだと実感することができるようになる。戦争の悲惨さ、残酷さが初めて、立体的な姿で立ち現れる。
繰り返す。多くの戦争は自衛の意識から始まる。あの国を侵略してやろうなどと始まる戦争はほとんどない。そして自衛の意識が発動したとき、被害の記憶だけでは踏みとどまれない。加害の記憶から目をそむけず、何度でも自分に刻みこむ。それを自虐史観と呼びたければ呼べばよい。胸を張って自虐する。この国が、再び「戦争」を選ばないために。
今、最注目の論考、待望の文庫化!