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- エスの系譜
-
沈黙の西洋思想史
講談社学術文庫 2385
- 価格
- 1,188円(本体1,080円+税)
- 発行年月
- 2016年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062923859
[BOOKデータベースより]
「考える」あるいは「思う」という事象に主語はあるのか。「思われること」は本当に「私に思われ」ているのか。この問いに対する哲学者たちの近代以降の悪戦苦闘。ニーチェやフロイト、シェリングやフィヒテは、沈黙する「エス=それ」の淵源を見出したのか。「人」「言語」あるいは「普遍的なもの」とも呼ばれるものを巡る探求史。
プロローグ―エスを奪い合う者たち
第1章 エスの問題圏
第2章 エスの淵源を求めて
第3章 変貌するエス
第4章 エスへの抵抗
エピローグ―「エスの系譜」のゆくえ
「なぜか分からないがそうしてしまった」、「まるで自分ではない何かにやらされているようだった」……。こうした話は作家や芸術家の創作についてよく聞かれるが、日常の中にも同様の経験があるのは誰もが知っていることだろう。みずからの行動の原動力だったことは明らかなのに、それが何なのかは明言できないもの。その得体の知れない力を示すために着目されたのが、ドイツ語の代名詞「es(エス)」だった。
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<それ=エス>とは「何か」なのか。ニーチェ、フロイト、フィヒテ、シェリング……、その作用に気づいた近代以降の哲学の悪戦苦闘。