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[BOOKデータベースより]
もう、ひとりぼっちはいや!さようならするのがさみしくて、やってきたものをつぎつぎ飲みこんでいた、沼。あるひ、であった女の子は…。心をゆさぶられた沼のおはなし。
[日販商品データベースより]ぬまは、ずっとひとりぼっちでした。あるとき、森にちょうがやってくると、ぬまは、さようならをしたくないあまりに、ちょうを飲みこんでしまいます……
ひとりのさびしさ、ふり向いてもらえないさびしさ、たのしい時間がおわるさびしさ、別れるさびしさ……そんな気持ちが、ひとつの出会いによって変わっていきます。
絵本デビュー作『わたしドーナツこ』で注目を浴びた井上コトリさんの第2作。ちょっぴりこわさものぞく個性的な「物語」と、軽快でカラフルなイラストレーションが魅力。「沼」を主役に据えて「さびしさ」というテーマを描き出した、意外性に富んだファンタジックなお話です。
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しんと静まりかえった深い深い森の奥にその「ちいさなぬま」はありました。あまりにも長く独りきりだったので、自分以外の動物たちとどう接したらいいかわからない。さびしくて、心細くて・・・。本当は、ただ仲良くなりたかっただけ。ただお友だちになって欲しかっただけなんです。でも、不器用でさみしがり屋の「ちいさなぬま」は、帰ろうとする動物たちに嘘をついてつぎつぎと飲みこんでしまうのです!ある時「ちいさなぬま」は、水色の目をした女の子に出会います。女の子は好奇心いっぱいのキラキラした目で、「ちいさなぬま」の心の扉をノックします。それは、「ちいさなぬま」にとって今までに感じたことのない嬉しい初めての体験。楽しくて思わず一緒に笑ったり、悲しくなって大声を出しながら大粒の涙を流したり、今まで抑えていた感情がむきだしになって暴れだすのです。そんな様子を見ていた女の子が落ち着いて言い放つ、シンプルだけど力強い魔法の言葉。それは「ちいさなぬま」のどんより濁った心を綺麗に洗い流し、そこに新しい「ちいさなぬま」を誕生させるのです!沼が物語の主人公という、とてもユニークなお話を生み出したのは、絵本デビュー作が『わたしドーナツこ』の井上コトリさん。あたたかく可愛らしいタッチのイラストなのに、その奥には一筋縄ではいかないような、ちょっぴりこわさと物悲しさも顔を覗かせる心に響くイラストを描かれています。ファンタジーで想像力あふれる物語の根底には、「さびしさ」「ともだち」というテーマに真正面から向き合っているそんな井上さんの真剣な気持ちが伝わってきます。子どもに読んだら、どんな反応を見せてくれるのでしょう。大人が読んだら、いろいろな事を考えるきっかけになるかもしれません。もちろん表紙の可愛らしいデザインのままに、絵本の中でも森の中の出来事がとてもキュートにスタイリッシュに描かれています。そして絵本を手にとったら、是非カバーをはずしてみてください。そこではこの絵本が全く違う表情を見せてくれますよ。
(絵本ナビ編集部 富田直美)
女の子の純粋な心が、沼の孤独な気持ちを救ってくれたのだと思うと私もゆっくり、ゆっくりの7歳の孫に感謝しました。脳にダメージを受けたけれど、7歳の孫はこの少女のようにいつまでも純粋でいれるから幸せなんだと確信できたのが、この絵本に出会えてよかったと思いました。人に接するにはこの女の子のように純粋な心で接しようと思いました。とても考えさせられる絵本でした。(押し寿司さん 60代・愛知県 )
【情報提供・絵本ナビ】