この商品をご覧のお客様は、こんな商品もチェックしています。
- 自助グループにつながることで始まる アルコール依存症からの回復
-
価格：2,200円（本体2,000円＋税）
【2025年07月発売】
- 発明で食っていく方法、全部書いた。
-
価格：1,760円（本体1,600円＋税）
【2025年07月発売】
- 小川史記×恋愛写真 ＰＨＯＴＯ ＢＯＯＫ
-
価格：3,300円（本体3,000円＋税）
【2025年06月発売】
- 学校の「男性性」を問う
-
価格：1,980円（本体1,800円＋税）
【2025年07月発売】
のマークが目印です。
[日販商品データベースより]
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか？
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。