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〈左派〉復活のための指南書。
安倍晋三は「保守」と目される政治家だが、経済政策は「反緊縮」を選んで高い支持を得た。世界的には、イギリス労働党のコービンや、フランス社会党のメランション、アメリカ民主党のサンダースといった〈左派〉の政治家が「反緊縮」を訴えて労働者階級や若年層の支持を集めている。日本では、これに相当する「反緊縮の〈左派〉」勢力がどうにも弱い。憲法や原発もいいが、何より有権者にとって優先度の高い「経済」で幅広い支持を集める旗が必要で、それは「反緊縮」に他ならない。「下からの民主主義」を訴えるのであれば、「反緊縮」サイドから「アベノミクス」の弱点を指摘する必要がある。「右派に民衆の胃袋を握らせてはいけない」。日本〈左派〉復活のための指南書。
[BOOKデータベースより]
日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!
第1章 下部構造を忘れた左翼
[日販商品データベースより]第2章 「古くて新しい」お金と階級の話
補論1 来るべきレフト3.0に向けて
第3章 左と右からの反緊縮の波
第4章 万国のプロレタリアートは団結せよ!
補論2 新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ
バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!
日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!
アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。
左派の最優先課題は「経済」である。
「誰もがきちんと経済について語ることができるようにするということは、善き社会の必須条件であり、真のデモクラシーの前提条件だ」
欧州の左派がいまこの前提条件を確立するために動いているのは、経世済民という政治のベーシックに戻り、豊かだったはずの時代の分け前に預かれなかった人々と共に立つことが、トランプや極右政党台頭の時代に対する左派からのたった一つの有効なアンサーであると確信するからだ。
ならば経済のデモクラシー度が欧州国と比べても非常に低い日本には、こうした左派の「気づき」がより切実に必要なはずだ。(ブレイディみかこ/本書より)