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- ひとり空間の都市論
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- 価格
- 946円(本体860円+税)
- 発行年月
- 2018年01月
- 判型
- 新書
- ISBN
- 9784480071071
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- ★プロ書店員レビュー★
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近代=都市=「ひとり空間」の変遷。
人ごみの中、スマートフォンを見ながら歩く人。行き交う人にぶつかる。しかし、全く気にしない様子で画面に見入ったまま歩き続ける。ああ、この人はいま完全にひとりの空間に入り込んでいるのだ。珍しいことではない。都市社会学の蓄積を踏まえて近代=都市=「ひとり空間」の変遷を見る。ワンルームマンションやカプセルホテル、あるいは吉野家や一蘭の設計、そしてウォークマンからスマートフォンに至るモバイル・メディア。事例が豊富で読みやすい。すぐ隣の人とは切断されていても、インターネットには常時接続の現代。Airbnbを事例に「ひとり空間」の最新状況を考察して終わる。「地方」「コミュニティ」ではなく「都市」「ひとり」。社会学と建築学の間で、都市の未来をポジティブに照らそうとする爽やかな論考だ。
[BOOKデータベースより]
同調圧力が強い日本社会における「ひとり」。彼らが異質な存在としてみなされる一方で、現実の日本の都市には、カプセルホテル、ひとりカラオケ、ひとり焼肉店など、ひとり客向けの商業施設が溢れかえっている。そもそも孤独と自由が背中合わせの都市生活では、「ひとり」でいることこそ、歴史的にも“正常”だったはずだ。今日ではさらに、「ひとり」が存在する空間は、モバイル・メディアの普及を受けて増殖し、新しい形態へと進化を遂げつつある。その新しい特性とは何か。「みんな・絆・コミュニティ」へと世論が傾くいま、ひとり空間の現況と可能性を、いまいちど問い直す。
序章 『孤独のグルメ』の都市論
第1章 ひとり・ひとり空間・都市
第2章 住まい―単身者とモビリティ
第3章 飲食店・宿泊施設―日本的都市風景
第4章 モバイル・メディア―ウォークマンからスマートフォンまで
終章 都市の「ひとり空間」の行方