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- 色いろ花骨牌
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- 価格
- 660円(本体600円+税)
- 発行年月
- 2017年05月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784094061581
[BOOKデータベースより]
四十数年前、赤坂に「乃なみ」という旅館があった。そこに夜な夜なメンバーが集まり、始まるのは、麻雀、花札、カード。だが中心はあくまでも座談の楽しさにあった。吉行淳之介さん曰く、「ま、気取って言えばサロンのようなものですな」。高名な作家・俳優・芸術家たちの中に、ある日、まだ二十代の青年が加わった。今は亡き、個性溢れる人々との交流を生き生きと描いた超面白エッセイ集。主役は九人。吉行淳之介・阿佐田哲也・尾上辰之助(初代)・芦田伸介・園山俊二・柴田錬三郎・秋山庄太郎・近藤啓太郎・生島治郎、ほかに脇役たちも多士済済。交遊録の名品、初文庫化。
雨―吉行淳之介さん
月―阿佐田哲也さん
桜―尾上辰之助さん(初代)
松―芦田伸介さん
菊―園山俊二さん
桐―柴田錬三郎さん
牡丹―秋山庄太郎さん
菖蒲―近藤啓太郎さん
萩―生島治郎さん
抱腹絶倒してしんみり。交友エッセイの名品
全9章構成。吉行淳之介 阿佐田哲也 尾上辰之助(初代) 芦田伸介 園山俊二 柴田錬三郎 秋山正太郎 近藤啓太郎 生島治郎 脇役も多士済々。著者が名エッセイストである証拠に、吉行淳之介の章から一場面をご紹介。
《いかなる経緯からか、膣外射精の話となり、何気なく「あれは妊娠の怖れがありますからね」と口を挟むと、卓上の三人の手が止まった、ように感じた。視線を牌から上げて御三方のご尊顔を拝し奉ると、各様に眉を上げたご表情。/(……)「いえ、あの、先っぽがちょいと濡れますところの、カウパー線液とやら言うんでしたっけ? あの中にも精子が含まれておりまして……/聞き囓りの、我が膣外射精危険説は却下された。/「数十年、その枝に頼りしも、我、かくなる仕儀と相成りしことの一度としてあらざるなり」「阿呆も休み休みに」。/翌日、「あー、吉行です。昨夜の膣外射精野郎は、そのうち手痛い目に遭いますな。いや、貴君が正しい、正しい」。/医者に確かめたのだという。/(……)/感心を通り越して、嗚呼、ぼくは凄いサロンに身を置いているのだなと、見開いた目の中を多数の精子があっちへ行ったりこっちへ来たり。》
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